俳優の豊川悦司さん(64)と山口智子さん(61)が、2026年9月26日、都内で行われた映画『undo+PiCNiC 4Kリマスター』の公開記念舞台挨拶に、岩井俊二監督(63)とともに登壇しました。1994年公開の『undo』でダブル主演した二人が顔をそろえるのは、約30年ぶり(報道によっては32年ぶり)。「30年ぶりなのに、30分前に会ったみたいだよね」という山口さんの言葉が、大きな話題になっています。この記事では、舞台挨拶での発言や『undo』『PiCNiC』の背景を、報道をもとに整理します。

豊川悦司さん&山口智子さんが約30年ぶりに再会|舞台挨拶での発言
舞台挨拶が行われたのは、4Kリマスター版が全国公開された翌日にあたる9月26日です。登壇したのは、豊川さん、山口さん、そして脚本・監督を務めた岩井俊二さんの3人でした。(出典:テレビ朝日系(ANN)、サンケイスポーツ、スポーツ報知、デイリースポーツ)
再会について、二人は次のように語っています。
- 山口さん:「30年ぶりなのに、(前に会ったのが)30分前みたいだよねって話をしました」「変わらないですね」
- 豊川さん:「(ずっと)一緒にお芝居していなかったから。でも30年(も会っていなかった)とは思いませんでした」
- 豊川さん:「『20年か30年前かな?』って智ちゃんが来る前に岩井さんと話していたんだけど、30年とは思いませんでした」
報道では「約30年ぶり」「30年ぶり」「32年ぶり」と表記が分かれています。1994年の『undo』公開から数えると32年で、スポーツ報知やデイリースポーツは「32年ぶり」と伝えています。ここでは、報道の表記を尊重して「約30年ぶり」と書きつつ、公開から32年が経っていることを補足します。「30年」という言葉が実感として出てくるほど、二人の間に流れた時間の長さを感じさせないやり取りだったことが伝わってきます。
「undo」の撮影は「終わるまで」|寝ない現場の思い出
舞台挨拶で特に注目を集めたのが、当時の撮影の思い出です。豊川さんは撮影当時について、次のように振り返りました。
- 「まず寝なかった」
- スケジュール表には「終わるまで」と書いてあり、「七十数時間とか、書いてあって」
- 「山口さんとも控室で『いつ終わるんでしょうね』と(話していた)」
- 「俺は(縄で山口を)縛ってる印象しかない。ひたすら縛っててそれでもカットはかからないっていう。永遠に縛り続けた」
山口さんも、「40度の熱が出ているんじゃないかという気持ちで朦朧としながら現場に行った記憶があります」と語りました。さらに、「何時に終わろうとか、誰もたいして考えてなくて…。『映画研究会』の部活動という言葉が浮かぶ作品ですね」と回想しています。
撮影の過酷さを笑いながら語る一方で、豊川さんは「岩井さんと智ちゃんと知り合いになれて、この映画が生まれたこと自体がラッキーだったなと思います」と締めくくりました。山口さんも、縛られる役を演じた感覚について、「なぜか不思議と快感みたいな、解き放たれていくような、束縛されてるのになぜか自由になっていく不思議な感覚はありました」と明かしています。(出典:スポーツ報知)
これを聞いた岩井監督は、「ご苦労をおかけしました。この場をお借りいたしまして」と小声で苦笑いしたと報じられています。「終わるまで」と書かれたスケジュール表は、当時のインディペンデントな熱量を象徴するエピソードとして、ファンの間でも語り継がれそうです。

『undo』とはどんな映画?|あらすじと公開の経緯
『undo』は、身の回りの物をひもで縛りつけるという不可解な行動をとる女性・萌実(山口智子さん)と、ともに暮らす夫・由起夫(豊川悦司さん)を描く、一風変わったラブストーリーです。萌実はペットの亀や、編み物をする自分の手までもを縛るようになります。心配した由起夫は、彼女を精神科医(田口トモロヲさん)のもとへ連れて行き、そこで萌実は「強迫性緊縛症候群」と診断されます。やがて彼女は、目に見えないものまで縛り始める――という物語です。(出典:映画ナタリー、WEBザテレビジョン)
- 脚本・監督:岩井俊二
- 出演:山口智子、豊川悦司、田口トモロヲ
- 上映時間:47分
- 1994年10月:東京・シネスイッチ銀座で1週間限定公開(レイトショーながら連日長蛇の列)
- 1995年8月:テアトル新宿でロードショー
WEBザテレビジョンは、47分という上映時間の中で繰り返される「縛る」という行為が、物理的な動作でありながら、萌実と由起夫の間にある距離や執着を浮かび上がらせていく、と解説しています。「愛すること」と「縛ること」はどこまで近いのか。30年以上たってもなお、割り切れない感情を残す一作として紹介されています。
企画のきっかけは雑誌の対談だった|岩井監督が語る誕生秘話
キネマ旬報WEBで公開された岩井監督のオフィシャルインタビューによると、『undo』が生まれたきっかけは、主演の山口智子さんからの依頼で行われた雑誌『ザ・テレビジョン』での対談でした。(出典:キネマ旬報WEB)
- 1993年にテレビドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が評判になり、1994年から映画の撮影に入った。撮影順は『undo』『PiCNiC』『Love Letter』の順
- 山口さんが、「気になる人物と対談する」という企画で岩井監督を指名した(豊川さんから、ユニークなテレビドラマを撮る監督がいると聞きつけたとのこと)
- 豊川さんとは、その年の年始に放送された『世にも奇妙な物語』の一編『ルナティック・ラヴ』で仕事をしていた
- その後、雑誌『BRUTUS』から「官能的でフェティシズム的な世界観を表現してほしい」という依頼があり、緊縛をテーマに、泥だらけになった山口さんを縛って撮影した
雑誌の対談、別の雑誌のグラビア、そして映画へ――。偶然のような連鎖から生まれた作品だと知ると、豊川さんの「岩井さんと智ちゃんと知り合いになれて、この映画が生まれたこと自体がラッキー」という言葉の重みも変わって聞こえてきます。
『PiCNiC』とは?|2本立てで全国公開
今回の4Kリマスター版は、『undo』と『PiCNiC』の2本立てで、9月25日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開されています。(出典:映画ナタリー)
『PiCNiC』は、どんよりとした街にたたずむ精神病院で出会ったココ(Chara)、ツムジ(浅野忠信)、サトル(橋爪浩一)の3人の物語です。施設を取り囲む塀の外に出ることを禁じられていた3人ですが、ココの「塀の外に出なきゃいいんでしょ。塀の上なら、いいのよ」という提案で、塀の上をつたって街中へ歩き出します。目的は、「地球の最後」を見届けること。1994年夏に撮影され、1996年6月に公開された作品で、のちの『スワロウテイル』へとつながる、岩井監督とCharaさんの初タッグ作でもあります。(出典:WEBザテレビジョン)
なお、岩井監督の『スワロウテイル』も、1996年9月の初公開から30年を迎え、『スワロウテイル 4Kリマスター』として上映されています。岩井監督は、2本について次のようにコメントしています。
当時、ドラマや映画ではできない、ちょっと変わった企画というお題目の下、とにかく自由に、クリエイティブの翼を広げて創作したのが、「undo」と「PiCNiC」でした。撮影が16mmで、かつ実験的に増感現像や減感現像を施してもいて、リマスター作業も苦心しましたが、納得できる仕上がりになりました。
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岩井俊二監督の世界をもっと味わいたい方はこちら。関連作品をチェックできます。

考察|なぜ今、30年前の中編が「4K」で求められているのか
ここからは、私の考察です。あくまで報道された発言をもとにした個人的な見方であることをご了承ください。
豊川さんは、4Kリマスター版として上映されると聞いたときの気持ちを、「なればいいなって思っていた。(でも)中編で今はウケないような内容だから…」と率直に明かしています。それでも山口さんは、「心を込めて作られた、念のこもった作品なので、こういう作品は時間をかけた方がじわ〜っと伝わるんじゃないか」と語りました。
私が注目したのは、山口さんの「1年後、5年後、10年後、時間を経て見ると、また違った、怪しい感動がザワザワとしみ込んでくる」という言葉です。公開当時には想像できなかった形で作品が評価される。その背景には、次の3つがあるのではないかと考えます。
- 作品の強度:47分という短さの中に、愛と束縛という普遍的なテーマが凝縮されている
- 映像の再評価:16mmで撮影し、増感・減感現像などの実験的な手法を用いた質感は、4Kで見直すことで新しい発見がある
- リバイバルの流れ:『スワロウテイル 4Kリマスター』と同時期に上映され、岩井作品を再体験する機会が増えた
山口さんは、「30年経って新たな生命力をまとってよみがえっている感じが、岩井さんらしいなって思います」とも語っています。当時観た人にとっては「思い出の再確認」、初めて観る世代にとっては「カルト的な名作との出会い」になる。世代を超えて楽しめるのが、今回の4Kリマスター上映の魅力ではないでしょうか。
今後の注目ポイント
- 上映の広がり:『undo+PiCNiC 4Kリマスター』は全国で公開中。上映館・期間は公式サイトで確認を
- 『スワロウテイル 4Kリマスター』との合わせ鑑賞:岩井作品の流れをたどる楽しみ方
- 豊川さん・山口さんの今後の共演:報じられた範囲では、具体的な共演の予定には触れられていません
まとめ
豊川悦司さん(64)と山口智子さん(61)は、2026年9月26日、『undo+PiCNiC 4Kリマスター』の公開記念舞台挨拶に、岩井俊二監督とともに登壇しました。『undo』のダブル主演以来、約30年ぶり(公開から32年ぶり)の再会で、山口さんの「30年ぶりなのに、30分前に会ったみたい」という言葉が話題を集めています。撮影は「終わるまで」と書かれたスケジュールで、豊川さんは「まず寝なかった」と振り返りました。4Kリマスター版は、『PiCNiC』との2本立てで全国公開中です。
よくある質問
豊川悦司さんと山口智子さんはいつ再会しましたか?
2026年9月26日、都内で行われた『undo+PiCNiC 4Kリマスター』の公開記念舞台挨拶で、岩井俊二監督とともに登壇しました。約30年ぶり(1994年の『undo』公開からは32年ぶり)の再会と報じられています。
『undo』はどんな映画ですか?
身の回りの物をひもで縛りつける「強迫性緊縛症候群」の妻・萌実(山口智子さん)と、夫・由起夫(豊川悦司さん)を描くラブストーリーです。47分の中編で、1994年10月にシネスイッチ銀座で1週間限定公開され、連日長蛇の列ができました。
『undo+PiCNiC 4Kリマスター』はいつから公開されていますか?
2026年9月25日から、東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で、2本立てで公開されています。
『PiCNiC』の出演者は誰ですか?
Chara、浅野忠信、橋爪浩一の3人です。岩井俊二監督とCharaさんの初タッグ作で、1996年6月に公開されました。
撮影当時のエピソードは?
豊川さんは「まず寝なかった」と振り返り、スケジュール表には「終わるまで」と書かれていたといいます。山口さんは「40度の熱が出ているんじゃないかという気持ちで朦朧としながら現場に行った」と語っています。



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