
アニメ『妖怪ウォッチ』のロボニャン役などで知られる声優の坂東尚樹(ばんどう・なおき)さんが、9月28日に亡くなっていたことが、10月2日に分かりました。享年69歳。所属事務所のプロダクション・エースが公式サイトで発表したもので、療養中だったと伝えられています。数え切れないほどの作品で、主役の脇を固める「名脇役」として愛されてきた坂東さん。心からご冥福をお祈りするとともに、事務所の発表と各社の報道に基づいて、その歩みを振り返ります。
事務所の発表|9月28日に永眠、訃報は4日後に
プロダクション・エースは10月2日、岡本敦行代表取締役社長名の文書を公式サイトで公表しました。文面は次のとおりです。
「弊社所属俳優 坂東尚樹 儀(享年69歳)療養中のところ 令和8年9月28日 永眠いたしました。ここに生前賜りましたご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます」
通夜・告別式は親族のみで執り行われるとのことです。また、「誠に勝手ながら、ご弔問ならびにご弔電、ご香典、ご供物、ご供花等はご辞退申し上げます」とも記されています。訃報が公表されたのは、亡くなってから4日後でした。療養中だったと報じられていますが、病名や死因についての発表はありません。ご遺族のお気持ちを尊重し、私も憶測は控えたいと思います。
なお、享年69歳は数え年での表記です。報道によると坂東さんは1957年12月12日生まれで、満年齢では68歳でした。
『妖怪ウォッチ』のロボニャンほか、数々の人気キャラを演じた
各社の報道によると、坂東さんは北海道出身。アニメや海外映画、ドラマの吹き替えなどで活躍しました。『妖怪ウォッチ』では、じんめん犬、グレるりん、ロボニャンF型など複数のキャラクターを担当。ロボニャンは、子どもたちに大人気を博した作品を代表するキャラクターのひとつで、その声を覚えているという方も多いのではないでしょうか。
そのほか、次のような作品に出演しています。
- 『機動戦士ガンダムAGE』バルガス・ダイソン役
- 『宇宙兄弟』福田直人役
- 『クレヨンしんちゃん』石坂純一役
- 『名探偵コナン』『ポケットモンスター』などにも出演
吹き替えの分野でも、海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のローガン大統領、『LAW & ORDER: UK』のロニー・ブルックス、映画『プーと大人になった僕』などを担当。ゲームやナレーションでも活動していました。子ども向けアニメから大人向けのドラマ、洋画まで、幅広い役柄を自然に演じ分けることのできる声優さんだったことがうかがえます。

舞台から声優へ|坂東尚樹さんの歩み
Wikipediaなどに記された経歴(本人のインタビューをもとにした記述を含みます)によると、坂東さんは中学・高校時代を北海道函館市で過ごし、上京後に劇団青年座の俳優養成所で学びました。その後、劇団新人会に所属して舞台に立つなか、公演中に音響効果を手伝ったことが、声優の仕事につながったといいます。
1980年代後半にはテレビアニメ『シティーハンター』などに脇役として数多く出演するようになり、1991年にオーディションに合格して『太陽の勇者ファイバード』のガードスター役で初のレギュラーを務めたとされています。その後、『クレヨンしんちゃん』『ドラえもん』『名探偵コナン』『NARUTO -ナルト-』など、長寿シリーズの数々に登場。2026年1月放送の『葬送のフリーレン』にも出演するなど、晩年まで現役の声優として活動を続けていました。
また、昨日お伝えした『おぼっちゃまくん』の35年ぶりの新作アニメ復活のニュースに関連して、旧作の『おぼっちゃまくん』(1989〜1992年)にも、おまわりさんや先生などの役で出演していたとの記載があります。昭和から令和まで、日本のアニメの歴史とともに歩んだ人だったのだと、改めて感じます。
「脇役」を支えた声優という仕事
先ほどのWikipediaの記述(本人のインタビューをもとにしたものを含みます)によると、坂東さんは『シティーハンター』の放送が始まったころ、毎週のように大量に登場する悪い男の役などで頭数が必要になり、ほぼ毎週のように収録に呼んでもらえるようになったといいます。こうした「その他大勢」のような役を、1本1本、丁寧に演じていくことが、後の幅広い役柄につながったのでしょう。
声優の仕事の中でも、脇役は作品の世界観を決める大切なポジションです。主人公の言葉が際立つのは、周りの登場人物が生き生きと動いてくれるから。脇に回っても、画面に現れた瞬間に「この人は何者か」が伝わる声を持っていた坂東さんは、まさに職人肌の名脇役だったのだと思います。『24 -TWENTY FOUR-』のローガン大統領のような、威厳と含みのある役を演じられたことも、その技術の証といえるでしょう。
後進の育成にも力を注いだ
日刊スポーツは、坂東さんが近年、声優の後進育成に力を入れていたと伝えています。Wikipediaには、2011年から声優塾「シャベルテック」を開設して後進を指導していたとの記載もあります。名脇役として現場で積み重ねてきた技術と経験を、次の世代へ手渡そうとしていたのでしょう。
声優の仕事は、主役だけで成り立つものではありません。同じシーンに出てくる街の人、店主、警官、司令官といった一人ひとりの演技が、作品の世界に厚みを与えます。坂東さんが生涯をかけて磨いた脇役の技術は、教え子たちや、坂東さんの声に親しんできた私たちの記憶の中に、これからも残り続けるはずです。
ファンの皆さんへ|作品で坂東さんの声を
長く続いたシリーズも多く、坂東さんの声に触れられる作品は今も数多くあります。お気に入りの作品を見返しながら、あの声を思い出してみるのも、故人を偲ぶひとつの形かもしれません。私も、これを書きながら、幼いころに見ていたアニメのシーンがいくつも思い浮かびました。エンディングのクレジットで「坂東尚樹」の名前を見つけて、「この声、あの人だったんだ」と気づく——そんな楽しみ方ができるのも、長く第一線で活躍してこられた声優さんならではだと思います。
多くの人の子ども時代を、声で彩ってくださった坂東尚樹さん。長い間、本当にありがとうございました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
よくある質問
Q. 坂東尚樹さんはいつ亡くなったの?
A. 2026年9月28日です。所属事務所のプロダクション・エースが、10月2日に公式サイトで発表しました。
Q. 死因は?
A. 療養中だったと伝えられていますが、病名や死因は発表されていません。
Q. 通夜・告別式は?
A. 親族のみで執り行われるとのことです。弔問・弔電・香典・供物・供花などは辞退されています。
Q. 代表的な出演作は?
A. 『妖怪ウォッチ』のじんめん犬・グレるりん・ロボニャンF型、『機動戦士ガンダムAGE』のバルガス・ダイソン、『宇宙兄弟』の福田直人、『クレヨンしんちゃん』の石坂純一などがあります。
Q. 吹き替えの仕事は?
A. 『24 -TWENTY FOUR-』のローガン大統領、『LAW & ORDER: UK』のロニー・ブルックス、映画『プーと大人になった僕』などを担当しました。
Q. 享年69歳なのに、満68歳と書かれているのはなぜ?
A. 享年は数え年で表すため、満年齢(1957年12月12日生まれ)より1歳多くなります。
(出典:オリコンニュース、日刊スポーツ(Yahoo!ニュース)、日刊スポーツ 発表全文(Yahoo!ニュース)、スポニチアネックス(Yahoo!ニュース)、Wikipedia)




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