時代劇「水戸黄門」などの悪役でおなじみだった俳優の田口計(たぐち・けい)さんが、今年1月27日に亡くなっていたことが、9月上旬に伝えられました。誤嚥性肺炎のためで、報道では93歳。本名は岩田克彦さん。1933年、長野県南佐久郡の生まれで、東京大学文学部英文科を卒業した知性派でした。
「お主も悪よのう」――時代劇の“悪”を支えた人
田口さんは1955年に映画界入りし、以後70年ちかくにわたって銀幕とお茶の間で活躍しました。とりわけ知られるのが時代劇の悪役です。「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」「大岡越前」――こうした人気シリーズで、悪代官や悪徳商人をいくどとなく演じました。越後屋がにやりと笑い、お代官さまが「お主も悪よのう」と返す。あの“様式美”のやり取りをかたちづくった一人としても語り継がれています(この評価は各社の報道に基づくものです)。

特撮、そして洋画の吹き替えでも
田口さんの仕事は時代劇だけではありません。特撮ドラマ「怪奇大作戦」では怪盗キングアラジン役で強い印象を残し、現代劇や2時間ドラマでも数えきれないほどの役を務めました。低く落ち着いた美声を生かし、洋画・海外ドラマの吹き替えでも長く重宝されています。「顔は知らないけれど、この声は聞き覚えがある」という人も多いはずです。
東大英文科卒、シャンソンを愛した素顔
東京大学文学部英文科で学び、英語に堪能だったことは吹き替えの仕事にも生きました。晩年はシャンソンを愛し、家族には「人生はつらいことが多かった」と本音をこぼしていたとも報じられています。本人の希望で葬儀は行わず、長男と次男の2人だけが火葬に立ち会ったそうです。訃報が公表されたのが逝去から時間を置いてのことだったため、日付や年齢は各社の報道に合わせています。

私が思うこと
物語のヒーローが輝くのは、憎らしいほど見事な悪役がいるからです。田口さんは、その割に合わない役どころを、品と知性をもって半世紀以上背負い続けました。「お主も悪よのう」と言われるたび、私たちは安心して物語の世界に入っていけました。長いあいだ、本当にお疲れさまでした。ご冥福をお祈りします。
――表記は各社の報道に合わせています。新情報があれば追記します。(星野ルミ)
よくある質問
田口計さんはいつ亡くなったのですか?
報道によると、2026年1月27日に誤嚥性肺炎のため亡くなりました。訃報が公表されたのは9月上旬で、逝去からしばらく経ってからの発表でした。
代表作は何ですか?
「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」「大岡越前」など時代劇の悪役が代表的です。特撮「怪奇大作戦」への出演や、洋画・海外ドラマの吹き替えでも活躍しました。
どんな経歴の人だったのですか?
1933年、長野県生まれ。本名は岩田克彦さん。東京大学文学部英文科を卒業し、英語に堪能でした。1955年から俳優として活動し、晩年はシャンソンを愛したと伝えられています。



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