
喜劇役者の伊東四朗さん(89)が、2027年6月15日の90歳(卒寿)の誕生日をもって芸能活動を引退することが、10月1日に発表されました。所属事務所のオルテ企画と文化放送が書面で明らかにしたもので、1997年から続く土曜午後の生ワイド番組『伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(オヤジパッション)』も、2027年6月12日の放送で終了します。昭和から令和まで、お茶の間を笑わせ続けてきた喜劇人の引退宣言について、私なりに経歴とあわせて整理しました。
引退発表の内容|「いい爺ィになりました」
発表によると、伊東さんは2027年6月15日に90歳を迎えるのを機に、芸能活動に区切りをつけるとのこと。つまり、今日からおよそ8か月半は、まだ現役の伊東四朗さんに会えることになります。事務所と文化放送が書面で発表した直筆コメントは、いかにも伊東さんらしい、ユーモアにあふれた文章でした。
コメントの冒頭は、「昭和31年、高校卒業の時、希望に燃えて受けた就職試験。すべてに落っこちて失意の中、かすかに手招きしてくれた芸能界に入れて貰い何とか69年」という一節です。就職試験に全部落ちた失意の中で、芸能界が「かすかに手招き」してくれた——この言い回しだけで、私は思わず頬が緩んでしまいました。そこから「来年の6月15日をもって90歳、いわゆる卒寿を迎えます。突然ですが、卒寿をもちまして引退をさせていただきます。いい爺ィになりました」と続きます。
そして「えッ?未練たっぷりに見える? それがですね」と、読む側の気持ちを先回りしたうえで、引退の理由を明かしています。「『眼、耳、脳、腰、膝…』すべてが急速に退化。ドラマ撮影ではスタッフ、キャストに迷惑をかけることに…」。最後は「これからは、観させていただき、聴かせていただきます。皆さん ありがとーッ!」で結ばれていました。引退の理由を、周囲への気づかいとして語るところに、長年現場で愛されてきた人柄がにじんでいると感じます。
30年続いたラジオ『親父・熱愛』も最終回へ
今回の引退に伴い終了するのが、文化放送の『伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(オヤジパッション)』です。毎週土曜日の午後3時から5時まで放送されている生ワイド番組で、1997年4月にフリーアナウンサーの吉田照美さんとのコンビでスタートしました。伊東さんの最後の出演は2027年6月12日で、番組もこの日で終了します。アシスタントの文化放送・水谷加奈アナウンサーを加えた3人で、30年の長寿番組の最後を迎える形です。
ラジオは、顔や動きで笑わせるテレビとは違い、声と間だけで勝負する世界です。喜劇役者として舞台やテレビで鍛えられた間の取り方が、そのままラジオでも生きていたからこそ、30年も続いたのではないでしょうか。土曜の午後に伊東さんの声を聴くのが習慣だったという方にとっては、ひと足早い寂しさを感じるニュースだと思います。
てんぷくトリオから「電線音頭」まで|伊東四朗さんの歩み
ここで、伊東さんの経歴を改めて振り返ってみます。各社の報道によると、伊東さんは1937年生まれ。1958年、軽演劇一座「笑う仲間」で喜劇役者としてのキャリアをスタートしました。3年後の1961年にはフランス座にいた三波伸介さん、戸塚睦夫さんと「ぐうたらトリオ」を結成し、翌年に「てんぷくトリオ」へと改名。テレビ出演をきっかけに、昭和のお笑い界をリードする存在になっていきました。
その後、1976年にテレビ朝日系『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』でブレイク。番組で熱演した「ベンジャミン伊東」の「電線音頭」は社会現象になりました。小松政夫さんとのコンビでも多くのギャグを生み出し、「あの頃のお茶の間は、伊東さんのギャグを家族みんなで真似していた」という思い出を持つ方も多いはずです。
俳優としても、NHK連続テレビ小説『おしん』の父親役をはじめ、TBS系『十津川警部シリーズ』、テレビ朝日系『おかしな刑事』など数多くのドラマ・映画に出演。バラエティでは日本テレビ系『伊東家の食卓』の「お父さん」役でおなじみとなり、『ザ・チャンス!』『脳内エステ IQサプリ』では司会者としての手腕も発揮しました。さらに「劇団ヴォードヴィルショー」や「伊東四朗一座」の公演など舞台でも活躍し、「白子のり」「ヤクルト」のCMキャラクターとしても長年親しまれてきました。笑いの分野だけでも、コント、バラエティ、ドラマ、司会、ラジオ、CM、舞台とこれだけ幅広いジャンルで第一線に立ち続けたことが、伊東さんの最大の強みだったと私は思います。

久本雅美さん「あれが本当の喜劇人」|共演者が語った存在感
引退発表を受け、共演経験のある久本雅美さん(68)は10月1日、大阪市内で開かれたWAHAHA本舗の特別公演の取材会で言及しました。久本さんは伊東さんのことを「お父さん」と呼んでいたといい、「出てくるだけ、存在感だけで笑いを取る。あれが本当の喜劇人」と最大級の敬意を示しています。「持っているセンス、なんとも言えない雰囲気」「誰にも代えがたい唯一無二の喜劇役者」という言葉も報じられました。
また久本さんは、「びっくりした。年齢を考えてしまいますね」としたうえで、「私は生涯現役でいきたいっていうのが夢」と、自身の今後についても語っています。体力や気力の問題に触れながら、体が資本だと考えてトレーニングや体重管理に努めていると話しており、世代の近い同業者として、伊東さんの決断を重く受け止めた様子がうかがえました。
引退までの約8か月、私たちにできること
引退日は2027年6月15日、ラジオ最終回は6月12日と、すでに日付が示されています。つまり、「いつ会えなくなるのか分からない」不安ではなく、「最後まで見届ける時間が用意された」引退といえそうです。私は、これは伊東さんなりの、観客やリスナーへの最後の気づかいなのではないかと感じました。
出演作品の過去映像や、てんぷくトリオ時代から続く笑いのDNAを、この機会に改めて見返してみるのもおすすめです。伊東さんの映像作品は数多く残されており、世代を問わず新しいファンが生まれるきっかけにもなりそうです。昭和の笑いを知らない若い世代にとっても、「喜劇人」という職業がどんなものだったかを知る貴重な機会になるのではないでしょうか。
なお、同じ週には脚本家・倉本聰さん(91)の訃報もありました。昭和の名作を支えた方々の「節目」が続く時期だからこそ、長く続いた仕事に敬意を払い、感謝を伝えたい——そんなふうに思います。
引退の日まで、伊東四朗さんが残りの現役生活でどんな姿を見せてくれるのか。続報があれば、私もこのブログでお伝えしていきます。
よくある質問
Q. 伊東四朗さんはいつ引退するの?
A. 2027年6月15日に90歳(卒寿)の誕生日を迎えるのを機に、芸能活動を引退すると発表されました。
Q. 引退の理由は?
A. 伊東さんは「眼、耳、脳、腰、膝…すべてが急速に退化」し、ドラマ撮影でスタッフやキャストに迷惑をかけることになるため、とコメントしています。
Q. ラジオ『親父・熱愛』はいつまで?
A. 文化放送の『伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(オヤジパッション)』は、2027年6月12日の放送で終了します。1997年4月に始まり、30年続いた番組です。
Q. 伊東四朗さんの代表作は?
A. 「てんぷくトリオ」での活動、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』の「電線音頭」、NHK連続テレビ小説『おしん』の父親役、『伊東家の食卓』の「お父さん」役などが知られています。
Q. 今後の出演予定は?
A. 引退日まではラジオ番組への出演などが続く見込みです。具体的な出演予定は、各番組・事務所の発表をご確認ください。
Q. 久本雅美さんはどうコメントしたの?
A. 「出てくるだけ、存在感だけで笑いを取る。あれが本当の喜劇人」「唯一無二の喜劇役者」と、共演経験のある立場から敬意を示しました。
(出典:モデルプレス、日刊スポーツ(Yahoo!ニュース)、中日新聞Web、デイリースポーツ)
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